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プロジェクトの概要

さまざまな文化における思春期の社会性

私たちが10代の間に接する社会環境は、その後生涯にわたって長く我々の健康や行動に影響を与え続けます。しかし、環境がどのような影響をどのように及ぼすのかは、文化によって違っているかもしれません。このプロジェクトでは思春期の社会性をテーマとして、日本とイギリスの間で長期的な共同研究を行うための体制を築き上げます。特に「思春期の社会ネットワーク」と「思春期のコミュニケーション」に注目して、調査の計画を立てています。
このプロジェクトには、東京大学、上智大学、弘前大学、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)、ロンドン大学公衆衛生熱帯医学大学院(LSHTM)等に所属する日英の研究者が多数参加しています。

Outdoor Study Group

中学校での活動

日本とイギリスの学校との長期的な連携作り

研究の出発点として、中学生に「私にとって大切なもの」というテーマで一週間写真を撮ってもらい、それらに文章で説明を加えてもらうというフォトグラフィープロジェクト(photography project)を実施します。写真はこちらのページで希望に応じて公開される他、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでも展示される予定です。この活動を通してまずは中学生の日々の暮らしや感覚について広く知り、将来行う調査の準備に役立てます(詳しくは以下)。研究者が一方的にデータを取るのではなく、中学生、学校、そして研究者が三位一体となった、双方向的な関係作りを目指しています。

現在は、東京・埼玉、青森、ロンドン、デヴォン(イギリス南西部)の二か国四地域にて比較可能な継続調査を、各地域の中学校と連携して行うことを目標としています。

将来行う調査に向けた準備

思春期の社会性に関する調査をどのように行うのがよいか?

将来行う本格的な調査では、どのような情報をどのような方法で取得するのが適当かについて、(1)すでに日英で実施されている他の調査、(2)フォトグラフィープロジェクトで得られる知見、(3)中学生、学校、そして他の研究者からのフィードバック、の三点に基づいて検討していきます。調査のデザインを入念に準備することで、日英の連携を長期間にわたって実り多いものにすることができます。

思春期の社会性に関する研究ネットワーク

研究者の交流を促進する

大規模な共同プロジェクトでは、研究者同士が密に交流できる場を整備することも重要です。そのために私たちは、Adolescent Sociality Research Networkを発足させます。この取り組みではまず、研究についての議論や意見交換を行うことを目指したイベントを開催します。第1回ワークショップと関連する公開シンポジウムを、2019年7月に東京で開催しました。2020年4月には第2回ワークショップを、ポーランドで行われる国際学会(ヨーロッパ人間行動進化学会)の中で開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により中止となりました。

今後の詳しい予定については、森田(masmorita@bs.s.u-tokyo.ac.jp)までお問い合わせください。

研究チーム

日英の研究者が多数参加しています

研究実施者(2023年4月時点、*共同代表者、※日本での統括管理者)

Emily Emmott(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 人類学部)*

森田 理仁(東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 / 人間総合科学大学 人間科学部 心身健康科学科)*

井原 泰雄(東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻)※

徳増 雄大(東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻)

川本 哲也(慶應義塾大学 文学部 教育学専攻)

野嵜 茉莉(昭和女子大学 人間社会学部 心理学科)

齋藤 慈子(上智大学 総合人間科学部 心理学科)

伊藤 慎悟(埼玉学園大学 人間学部 人間文化学科)

Ruth Mace(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 人類学部)

Rebecca Sear(ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 公衆衛生学部)

Laura Brown(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 国際保健部門)

Anushé Hassan(ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 公衆衛生学部)

使用研究費

・ESRC-AHRC UK-Japan Connections Grant(共同研究代表者:Emily Emmott・森田理仁 #ES/S013733/1)

科学研究費補助金 新学術領域研究「共創的コミュニケーションのための言語進化学 - 言語の創発過程の人類学的研究」(研究代表者:井原泰雄 #JP17H06381)

本研究は、東京大学(#18-376 / #21-50 / #21-433 / #23-13)、上智大学(#2019-14 / #2020-13 / #2021-42 / #2022-034 / #2023-019)、弘前大学(#0002)、およびユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(#14733/001)の研究倫理委員会の承認を受けて実施しています。

フォトグラフィープロジェクトにご協力いただいた日本の学校(校名の公表を希望されたところ)

・東京:東京大学教育学部附属中等教育学校、他1校

・埼玉:上尾市立東中学校

・青森:弘前市立東目屋中学校、弘前市立裾野中学校

プロジェクトの紹介記事

イギリスと日本の中学生はどのような思春期を過ごすのか?
What does adolescence look like for teenagers in England and Japan?

研究プロジェクトを紹介する冊子が出版されました。イギリスの Futurum Careers というサイエンス コミュニケーションの出版社によって作成されたもので、子どもたちに研究について知ってもらい、将来のキャリアについて考えてもらうきっかけとなるような内容です。

出版社のページ(英語)

日本語の冊子(PDFがダウンロードされます)

This article was produced by Futurum Careers, a free online resource and magazine aimed at encouraging 14-19-year-olds worldwide to pursue careers in science, tech, engineering, maths, medicine (STEM) and social sciences, humanities and the arts for people and the economy (SHAPE). For more information, teaching resources, and course and career guides, see www.futurumcareers.com

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